施設紹介
■名前 佐藤さん
■勤続年数 13年
■資格 介護職員初任者研修(ヘルパー2級)
―― 勤続年数は長いですよね?
はい。13年です。
―― 資格はありますか?
介護職員初任者研修を受けました。昔でいうヘルパー2級です。
―― 芙蓉会で働く時に必要な資格はありますか?
特にありませんが、入所時に福祉系の資格があればいいですよと言われました。
―― 勤続13年だとベテランですよね?
13年の間、つつじとあいあい学園にいったりきたりしていたようですが、いかがですか?
4年~5年ぶりにあいあい学園に戻ってきました。5年ぶりともなると、利用者さんの状態も変わるので支援の仕方も変わります。ご家庭の様子も変化している場合もあるので、困惑しているところです。
―― あいあい学園に戻ってどのくらいですか?
9ヶ月くらいです。
―― 芙蓉会に入所したきっかけを教えてください。
福祉系大学の実習で芙蓉会にお世話になりました。職員のみなさんに色々教えて頂き、仲良くなったので芙蓉会に入所しようと決めました。
―― あいあい学園で具体的に何をしていますか?
利用者さんの生活支援です。
利用者さんと一緒に作業や散歩をします。あいあい学園に来られている方は(障害などが)重い方が多いので、生活面での援助、体力作りが主な仕事です。
―― どんな時にやりがいを感じますか?
なかなか落ち着かない利用者さんの対応をしている時です。
―― 落ち着かない利用者さんの対応は難しそうですが・・・。
確かに難しいですね。いつ突発的な行動が起こるのか分からないので・・・。
でも、利用者さんのふとした表情やしぐさで「嫌なのかもしれない」と感じることができます。何がきっかけで気に入らなかったのか分析して次に活かします。
十人十色で色々な方がいらっしゃるので、ひとりひとりに合わせた支援を心掛けています。
―― 気を付けていることや、これは忘れたらだめだということはありますか?
とにかく安全ですかね。突発的な行動が起こるにしても、利用者さん自身はもちろん、他の利用者さん、自分、周りの職員にも危険がないように気を付けています。
―― 気を遣うお仕事ですね。
そうですね。
今担当している利用者さんは対応が難しい方なので、一日中気を張っているともいえますね。
―― 最初は対応が分かりませんでしたか?
はい、そうですね。だんだん接していくうちに、ここをこうするとこうくるというのが分かってきます。
怒っている利用者さんに「こうしてみましょう」と伝えてみたり、危険があるから止めても、その方は行きたくて怒れてしまったり。
だんだん接していくと兆候が分かるようになります。眼が「きっ!」となったりして、なんとなく雰囲気で次の行動のタイミングが分かるようになります。
他の利用者さんでも、カッとなる時があるので、利用者さんの好きなものを持ってきて気を紛らわすなどの対応をしています。
―― 芙蓉会で働いている人達の特徴はありますか?
女性が多く活躍しています。男性では気付けない女性ならではの細やかさが特徴的だと思います。うまくいかなかった時に新しい支援の方法を考えたり、作業をする時にこんな道具があればやりやすいのではと工夫したり、女性ならではの気付きと気遣いがあるなぁと思います。
―― あいあい学園の職員は何人ですか?
男性4人、女性12人の合計16人です。
―― 佐藤さんはベテランなので、新人さんを指導する立場ですよね?
久しぶりに戻ってきたあいあい学園で間違った支援方法を教えてはいけないので、今はまだ様子を見ている感じですね。
―― 辞めたいと思ったことはありますか?
ありますね。難しい対応を求められる利用者さんの担当をしていた時は「キツいなぁ、誰か代わってくれないかなぁ、辞めたいなぁ」と正直思いました。精神を削られましたね。
―― そんな時はどうしていますか?
上司に相談します。
難しい対応を求められる利用者さんを担当しているのですが、自分がキーパーソンとなって、道筋を決める必要があります。その方の一日の過ごし方を決め、不安にならないように工夫し、見守っています。
毎日気を張り詰めると疲れるので、週一くらいで他の職員に交代してもらっています。
――子どもが怒ったり、泣いたりするタイミングが分からず、困る時があります。そうならないように先回りをすると、親の思い通りにコントロールしているのではないかと不安になる時があります。どうしたら良いですか?
危険だけ回避して、泣いたり、怒ったりは表現方法のひとつなので自由にさせてもいいと思います。
ただ、利用者さんの出す大声や、他害は許さず、社会を教えるためにも、「今はそういう時間ではないよ」と伝えています。自由にしていい時間に思いっきりやってもらうようにしています。
子どもさんがぐんぐん成長していく様子とは違い、利用者さんの成長はなかなか見えにくいので、ほんのちょっとの「できた!」「やったね!」という喜びを大切にしています。
ひとりひとりに合わせた支援を心掛け、利用者さんの成長を一緒に喜ぶ佐藤さんは、あたたかなまなざしの中にしっかりとした信念を持っていました。